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天職とは

随分前に、「天職ってあると思うか」と訊かれたことがある。

辞書をひくと
〔天から与えられた職務の意〕
①その人の性質・能力にふさわしい職業。

と書いてある。
ネットを見ると、「天職の見つけ方」や「天職を探そう」という言葉が出てくる。

私は「天職とは思い込み」と思っている。
もともと、その人の向き不向きはあったとしても、「天職」と思えるものに出会える確率は極めて低いと思った方がいい。
そんなちょっとやそっとで、天から与えられた職になんて巡り合う訳ない。
チェックシートをちょちょっと書いて、診断できるほど簡単なものじゃない。
探したって、すぐには出てこない。
天職か天職じゃないか、そんなことにこだわらずに、とりあえず目の前にあるものにガッツリ取り組んでみればいいと思うのだ。
自分が「これが天職」と思えるくらい、のめり込めて、それを仕事にできればラッキーだし、まあそこまでではなくても、それを「天職だ」と思い込もうとするのもいいと思う。

「夢は必ず叶う」という言葉が氾濫しているように思う。
必死に夢を探し、それに向かって努力し続けることは大切かもしれないが、「必ず叶う」わけはない。万人に奇跡は起こらない。
夢を持たないことが罪であるかのように必死に夢というわれるものを探し、疲れてしまうのなら、自分の器を知り、受け入れ、その中で日々努力することも必要だと思う。
家業を継ぎ、精進を重ね、そしてそれを「私はこれしかできませんから」と平然と言ってのける職人さん。小さな会社や工場、商店、現場で毎日懸命に仕事に取り組む作業員やパートさん。みんな痺れるくらい恰好良い。
私には、そんな普通のことが本当に素晴らしく思えるのだ。

地味な裏方であったとしても、自分の仕事に誇りを持って精を出す、それが「天職」に近づく道であるような気がする。


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